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ちょうど入社して1年ほど経った頃でしょうか。パートナーの食欲が急になくなりました。はじめはドッグフードを食べなくなり、手作り食は食べるといった調子が続きましたが、次第に手作り食も食べなくなりました。食欲がない以外は普段とほとんど変わらなかったのですが、心配になり、病院に行ったところ、血液検査で肝臓の数値が異常に高いことがわかりました。しばらくは薬で様子を見たものの、一向に良くならず、思い切って切開したところ腫瘍が見つかりました。目の前がまっくらになったのを覚えています。 ガン細胞はすでに転移しており、その上シニア犬の体力での手術はこれが限界でした。獣医さんから説明を受け、腫瘍を取り除くことは断念し、臓器は切らずにその日の手術は終わりました。今後どうすればいいのか。こうしている今もガン細胞はあの子の体を蝕んでいるのかと思うと、いてもたってもいられない気持ちになりました。「何とかしてあげたい。例え残りの余生が短くても、少しでも楽しく、有意義に過ごして欲しい。」それから、家族で必死に看病・介護し、それに応えるように、その子はほとんど食べ物を受け付けないにもかかわらず、1ヶ月ほどを一緒に過ごし、最期はおだやかに天国に旅立っていきました。
あっという間の出来事でした。コロコロした子犬時代でさえ、つい最近のことのように思い出されます。病気がわかってからは、試行錯誤の繰り返しではあるものの、最善を尽くすことができました。しかし、病気になる前、つまり健康であった時はあまり気にしていなかったことがたくさんあります。その一つが食生活です。
生命の源ともいえる「食事」ですが、現職に就くまではそれほど深く考えていませんでした。良いフードと悪いフードだったら、良いフードをあげたいとは思っていても、どんなものが良いフードなのか判断することができませんでした。また大切な家族の一員である犬のごはんは、どれも犬の健康のために作られているから、どれもそれほど大差はないだろうと思っていました。しかし、ドッグフードの歴史や犬の栄養学を勉強するにつれて、フードのことをきちんと理解し、選ぶことの大切さを痛感しました。そしてもし、今の知識が初めて犬を飼った頃の私にあったら、あの子はガンにならなかったかもしれませんし、もっと長生きしていたかもしれません。そんなことを考えると、いまだにいてもたってもいられない気持ちになります。
現在の犬の死因のトップ3にガン・腫瘍があがってきます。もちろん、ガンは遺伝やストレス、生活習慣など様々な原因が考えられますが、食事も大きな影響を与えます。中には発ガン性物質を知らず知らずのうちに食事から摂取しているケースもあります。一頭でも多くの犬が病気で苦しまないように、一人でも多くのオーナーさんが笑顔でパートナーと楽しく暮らせるように、犬にとって、オーナーにとって役立つ情報を発信していきたいと思っています。
プロフィールが長くなってしまいましたが、どうぞこれからよろしくお願い致します。
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